3人が姿を見せたとき会場は和やかな雰囲気に満ちていた。 チョーカーとは誤魔化せない大ぶりの首輪に繋いだリードを両手に取り にこやかに歩いてくる姿。コンビニに行くかのような普段着での 入場はごく親しみやすい人柄を伺わせるようであった。 「ペットミーティング」 カワイイ「ペット」を紹介して「飼い主」の親睦を深める… 衆目に晒せない、しかして誰かに見せびらかしたいという この種の趣味に耽る者には有りがちな欲求を満たすための ごく限定された参加者のみによる密かなイベントである。 耳の先から尻尾まで隙間なく少女趣味で着飾った娘。 筋肉を誇示するように局部を僅かに覆った他ほぼ全裸の娘。 黒一色のラバースーツに目隠しと轡を嚙まされた娘。 雑多なペット達が集まっていた。 「よくお越し下さいました。それでは皆様に御紹介なされますよう。」 プレゼンターの促しに飼い主は頷く。 「はい!初めまして!○○○○○○。○○です。今日はよろしくお願いします。」 素朴で明朗な自己紹介が会場に安らぎを広げた時だった。 「皆様初めまして。s」「こら。」 ガシャン。ゴッ ペットが名乗ろうとした瞬間、飼い主はリードを引き絞った。 一見軽い仕草に見えたが、下げかけた青い髪はそのまま床に引き倒される。 「うっ…げっ……ごほっ…!」 「ごめんなさい。まだちょっと躾が足りてなくて。後でちゃんと教えますので!」 相変わらず素朴な飼い主の声音はしかし、今や会場に緊張感を 与えるものとなっていた。 呼吸を整えたペットが飼い主の足元に「おすわり」の態勢で座り直す。 大きく口を開けて舌を垂らし、涎が滴るのも構わず口で呼吸する。 「きゅうん、きゅううん♪」 右側でもそれに倣って同じく座り直す。 「改めて、今日はよろしくお願いします!」 他のペット達が恐る恐る己の飼い主を見上げていた。 目聡い娘であれば気づいたことだろう。 飼い主たちが一様に嗜虐心を煽られた目付きであることに。 「それでは、ミーティングを始めます。」