アニス・ソープ [酒場(娼館)]
ガヤガヤと酒と喧噪が飛び交う酒場。
……いや、そう見える場であったが、ここは違う。
周囲を歩く女達は皆誰もが煽情的な姿をしており、男にしなだれかかり、しきりに二階の部屋を指し示している。
そう、ここは娼館。
シーン神殿が公認をし、娼婦たちに仕事の場を与えるために経営されている夜の店であった。
そんな艶やかな女達の中、ぽつりと緊張気味に佇む一人の少女がいた。
金の髪を靡かせ、あちらこちらで行われるやりとりを、顔を赤くし見守っている。
「あわわ……本当に、本当に来ちゃいました。ここが……娼館。ここで、私は……その」
少女の名前はアニス・ソープ。れっきとしたシーンの神官であった。
今日、彼女は……ここに体調を崩し、シーン神殿で休んでいる娼婦の代理。
――代理娼婦として働くべく、手をあげ、やってきたのだ。
「……お、驚いてばかりはいられませんね。私も、く……来ると名乗り出てしまった以上、お仕事を……しょ、娼婦の方の仕事をしなくては……っ!」
胸元に手をあて、小さく拳を握りながら気合を入れる。
そして、そんな彼女の前に客はやってきて……。
ラセリア [酒場(娼館)]
「……………」
どこか猥雑かつ淫靡な空気が漂う中、あまりにも慣れきった態度でエルフがアニスのそばに立っていた。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
周囲を見渡しながら、どこか困惑した表情で店内を歩く
ラセリア [酒場(娼館)]
「………あまり緊張していると客にも伝わるぞ」
ぼそっと声を掛ける。見るからに肩に力が入っていたので。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
「ヘンリーめ、誘っておきながら早々にどこかへ消えてしまった…どうすればよいのだ?」
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「あ、ラセリアさん! 本日はその……ご無理を言ったのに来て頂いて、ありがとうございます」
娼婦の作法に疎い自分では失礼があるかもと来てくれた相手に、頭を下げ改めて礼をする。
ラセリア [酒場(娼館)]
「…………。お前がこういうことをするとは思わなかったのが半分。いつかやるかもしれないなと思っていたのが半分だ」
相変わらずのそっけない表情、淡白な態度。でもアニスが頼んだら二つ返事でやってきた。
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「あぅ……ラセリアさんには申し訳ないなと思ったのですが、どうしても……興味が湧いてしまったと言いますか」
顔を赤くし、ぼそぼそと
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
いかにも冒険者といった出で立ちだが、身にまとう衣服はどれも上等な仕立てだ
「うーん、とりあえず酒でも頼むか」
ラセリア [酒場(娼館)]
「…………まあ、構わない。ほかでもないお前の頼みだ」
そう伝えながら館内へ視線を配る。………ひとりの男に視線が吸い寄せられた。
(貴族だな)
すぐ分かった。うまく扮しているが、気配や身のこなしで分かる。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
こちらも視線に気づき、さりげなく確認する
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「ラセリアさん……?」
2人のやりとりに気付かず、不思議そうに
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
(娼婦…だがなかなかの腕前だ。なぜこんなところに?)
ラセリア [酒場(娼館)]
衣装は質素なようで、注意してみれば仕立ての良さに気づく。こういうところで下品に着飾らない。遊び方を弁えた上級貴族だ。
「………。少し待っていろ」
つい、とアニスに視線を横目でやったあと、金髪の伊達男に近づいた。身のこなしはかなり滑らかだ。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
その動きに感心しつつ、敵意はないようなので黙って待ち受けよう
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「あ、はい! いってらっしゃいませ」
私も、給仕とかした方がいいかしらとそわそわしながら周りを見ている。
ラセリア [酒場(娼館)]
「もし。そこの御仁。この店には一夜を過ごしに?」
ひょっとすれば館の支配人に連なる者かもしれない。そうであればこちらの勘違いになる。確認を取るべくそっと話しかけた。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
「あ、ああ…いや、何と言うべきか…」
違うというのは簡単だが、それはそれで失礼だろうか。そんなことを考えながら、困ったように頬をかいた
青い瞳を見つめ返しながら「友人に連れられてきたのだが、逸れてしまってな。困っていたところだ」
ラセリア [酒場(娼館)]
「なるほど」
であればその気はあるらしい。
「であればひとつ頼まれてはいただけないか。今夜が初めての嬢がひとりいるのだ」
「見たところなかなかに遊び慣れているとお見受けする。女の扱いに慣れのある方を探していた」
おおかた貴族であろう、それもかなりの立場の……とは指摘しなかった。こんなところへ遊びに来ているのだ。それをこちらが悟っていると知らせれば向こうも面白くなかろう。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
これには少々面食らった
初めて客を取る嬢の相手とは。自分はそんなに遊び慣れているように見えたのだろうか、確かに行為の経験がないわけではないが…
一瞬ためらいながらも、閉じていた口を開く
「せっかく声をかけてもらったのだ、お断りするのも失礼だろう」
「俺でよければ」と立ち上がる。身長は優に190を超える
ラセリア [酒場(娼館)]
「感謝する」
短くそう答えた。エルフは最後まで表情をまるで変えなかったが、決して愛想が全く無いというわけではなかった。
エルフの女らしく170ほどの高身長だが、それでも見上げるほどこの人間の男は大きい。ついてこい、とばかりにくるりと踵を返す。そうしてアニスが待つあたりに引き返していった。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
彼女の長い髪が揺れるのを見ながら、その背を追いかける
ラセリア [酒場(娼館)]
「アニス。客を見繕ってきた」
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「あ、おかえりなさい! ラセリアさん!」
結局どう手伝っていいのか分からず、落ち着かなさそうに手持ちぶたさにして。
「はえ!?」
ラセリア [酒場(娼館)]
「私の見立てだが、優しくしてくれるはずだ」
───あえてまだ客の名前は聞いていなかった。それは今から相手をするアニスのすべき仕事だ。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
この子か…目の前の小さな少女を見つめる。思っていたよりも若い、が初めてというのだから当然かと自分を納得させる
「事情は彼女から聞いている。今夜はよろしく頼む」
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「あ、その! お、お客様ですか! あの、は、初めまして! アニス・ソープと申しますっ!」
お客と言われ、驚いた顔をしたが慌てて頭を下げて名前を告げる。
「は、はい! 不束者ですが、今宵一晩……その、お楽しみ……頂けるよう、頑張ります……っ!」
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
「あ、ああ…」
いくら初めての客取りとはいえ、これはちょっと初心すぎないだろうか
そんな疑問を載せた視線を、名前を聞いていなかったエルフの娼婦へと向ける
ラセリア [酒場(娼館)]
「…………………」
眼差しを受け、腕組みをして黙っていたエルフはこくりと客へ頷いた。だから言ったろう。女を優しく扱える男でなければいけなかったのだ、と。
妙な客を掴んでしまって無理を強いられたりしては困る。……そういう思いをせめて最初くらいはアニスに味わってほしくない。
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「では、その……お部屋にご案内を致しましょうか? ……あ、申し訳ありません! その前に、お名前を」
緊張して名前すら聞けていなかったと、今更になって気付き恥じらいつつ名前を問う。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
こちらも頷きかえして
「俺はジュリオ・リーベルトだ。よろしく、アニス」
彼女の緊張がほぐれるように、微笑を載せて名を名乗る
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「ジュリオさん……いえ、様ですね! はい、よろしくお願いします」
名前を聞けたとほがらかに、嬉しそうな笑みを浮かべる。
ラセリア [酒場(娼館)]
「…………………」
やはり、しっかりとした高等教育を受けた貴族だ。言葉の発音に地方の訛りがなく綺麗だ。共通語に癖が出ないよう入念に消してある。
よほど妙な趣味がない限りは大丈夫だろう。
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「それでは、どうぞこちらに……。お手を、どうぞ」
手を差し出し、預かって部屋へと招こうとする。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
「ありがとう」短く答え、伸ばされた手を指先から優しく取る。柔らかい指だな、そう思った
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「……!」
緊張気味、でもどこか嬉しそうにジュリオの手を取り、部屋へと向かう。
ラセリア [酒場(娼館)]
「アニス。私もついて行ったほうがいいか」
どちらでもいい。彼女が決めることだ。それでも押して言うならば、少し心配だった。
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「あ……その」
言われてハっと気付き、困った顔をラセリアとジュリオに向ける。
本心を言えば、ついてきてもらえたほうが心強い。
だが、果たして“お客様”がそれを望むだろうか?と、それが不安で困った顔になってしまう。
ラセリア [酒場(娼館)]
「…………。料金を2倍取るとは言わない。1人分で十分だ。そもそも私はこの娼館の正式な女ではない」
それでもしよろしければ、とジュリオに言った。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
その提案にはこちらも戸惑うが、それを表に出さないように努めよう
「それでアニスが安心できるなら、その方がいいだろう。どうかな?」
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
「……! ありがとうございます!!」
パァっと、輝くような笑みを浮かべ。
ラセリア [酒場(娼館)]
「………分かった」
頷き、背を預けていた壁から離れる。ふたりについていった。
ジュリオ・リーベルト [酒場(娼館)]
どうやら2人は相当仲が良いらしい。見られながらかぁと思わなくもなかったが、アニスの案内のままついていこう
アニス・ソープ [酒場(娼館)]
ではそうして、3人は部屋Aへと入っていくのであった。
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
そんなやり取りがあったあと、酒場に入ってくる少年がいた。黒い眼球に赤い目。アルヴだ。だがそんなことは一般人には分からないかもしれない
少年はカウンターの方に行くと、周囲の女性に声をかけはじめた
「あの、すいません…!お金は出すので誰か精気を吸わせていただけませんか…!」
一般娼婦 [酒場(娼館)]
「きゃー、悪魔みたいな目よ!」「こわーい」「蛮族じゃないの?近寄らないでよねー」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「あっあの…!うっ、ふぐうううううう…!」あっという間に少年の周囲から女性が消える。希少種族アルヴの知名度は低く、よくあることだ
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
じゃあ肩にポンと手を置きます
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「えっ!?だ、誰ですか…?」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ただのお客ですがちょっとみてられなくなりまして」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「そ、そうですか…ごめんなさい恥ずかしいところを…」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「泣くのはおやめなさい。話をお聞きしましょうか」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ええと…あなたは…?」とりあえず名前くらい聞いておきたい
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「リード・ジュニアール。しがない冒険者ですよ」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ええっと…俺は、ラーク・アズール。一応冒険者です」グラップラーですね
「あの…あなたは気にしないんですね。俺の目のこと」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ええ、燃えるような輝き、カッコいいですね」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ありがとうございます…?まあそういう人になら話せるかな…」後半はボソッと
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「それに私も似たようなものです」と長髪をかきあげて小さな角を見せる
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「あっ…確かに俺と同じ、ですね…」ナイトメアとアルヴはどっちも穢れ1ですからね
「ええと…じゃあちょっと話を聞いてください。俺は街で生まれたアルヴなんですけど…」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ふむふむ…」
「彼にカクテルを」と注文して
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「あーいや俺、お酒はまだちょっと…?」微妙に成年してないくらいの設定です
店主 [酒場(娼館)]
「…じゃ、これでいいだろ」店主が適当にノンアルのドリンクを出す
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「店主、かたじけない」そう言ってすっと多めにチップを渡して店主に目配せしてる
店主 [酒場(娼館)]
店主は黙って受け取る。さすがに店主はアルヴくらい知っていたらしい
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ありがとうございます…じゃあ、続けますね」ドリンクに口をつけつつ
「俺は父親がアルヴなんですけど、とんだクソ野郎で…俺が生まれる前に蒸発したんです」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「父親がアルヴとは珍しい」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「それで、母さんが俺に精気を与えながら必死に育ててくれたんですけど…」
「最近になって、病気で死んじゃって…」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「そうですか…」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「俺、金を稼いで母さんを助けるために冒険者の修行をしたのに、何も、できなくて…!」コップを強く握りしめて震えている
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「貴方のお母さんはすごい人です。そして君も頑張りましたね」と頭を撫でてやる
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「いえ、俺なんて…でも、母さんは本当にすごい人でした。ありがとうございます…」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「さあ、とりあえず私から精気を吸いなさい」と撫でながら目を細めて告げる
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「…いいんですか?」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「別に、慣れてますから」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ありがとうございます…実は俺、明日になったらうまく動けなくなりそうで…失礼します」午前6時で吸精せずに一週間経過するところでした
というわけで手で触れて[吸精]発動。お安く3点ほどMPを吸収します
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ん…。これだけです?」
[MP現在値]変更[-3]>[リード・ジュニアール 33>30]
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「俺、魔法使いじゃないから…」魔法使いだと必然的に精神伸ばすからダメージも増えるんですよね
「んっ…これで二週間は生きていけます。ありがとうございした」ぺこりと礼をする
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「まずは馴染のお店を見つけなさい。お金は稼げるでしょう?」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「はい…冒険者としてお金は稼げるんですけど、街の人は、俺のこと、怖がる人が多くて…」
「どうしても運が悪い時は、さっきみたいに吸精できない時もあるんです」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「カッコいいのになあ…」残念そうに呟く
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「はは…みんながリードさんみたいだったらいいんですけどね」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「人はそれぞれ違うものです」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「はい…」クソ野郎の父親と優しい母親でそれは分かる
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「君は恵まれた身体をしてます。それは貴方の母から与えられたものです。きっと未来を切り開く力になるでしょう」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ありがとうございます…俺、今は苦労してるけど、一つ夢はあるんです」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「なんですか?」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「クソ野郎の父親を見つけたら、最低でも半殺しにしてやることです!!」割と暗い夢であった
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「そうですか。それはしっかりよく食べて鍛えないといけませんね」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ですね…父親が強いかどうかは知らないけど、もし返り討ちにでもなったら腹立つし、俺、強くなりたいです…!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ならいっぱい経験を積まないといけませんね。そして想像することです」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「想像?」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ええ」
「例えばラーク君が成長して父親を見つけたとしましょう」
「どんな暮らしをしてると思います?」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「暮らし…?母さんとは別の女を引っかけて吸精相手にでもしてる…とかかな…?」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「なら遠慮なくぶちのめせますね?」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「ぶちのめします!!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ではこう言ったらどうします?」
「お前が生まれたことは嬉しかった。だが俺には精気をもらう相手がお母さんしかいなかった。お前もアルヴで俺もアルヴ。母さんは精気を二人に吸われて持たないだろう。そして父子家庭では共倒れだ。あの時はこうするしかなかった…」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「…………」さすがに少しは悩むが
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「という可能性もあります」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「…いや許せるわけないでしょ!父親が働いてちゃんと母さんを支えてたら母さんは生きてたかもしれないんだ!それでも殴ることには変わらないですよ!」
「…まあ、それなら殺しまではしないかもしれませんが」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「とまあいろいろな可能性があります」
「殴ると決めたなら可能性に思いを巡らせつつ迷わない拳を握ってください」
「それが後悔のない日々を送ることに繋がります」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「あー…そういうことですか。ありがとうございます。いずれにしても、あの野郎はちゃんと殴ってやりたいと思います」
「…まあ、そのあとどうするかは事情次第ですけど!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「いい返事です」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「…どうも。話、聞いてくれてありがとうございました。その上で、図々しいかもしれないんですけど…」
「ええと…お金出せばアルヴでも吸精させてくれそうなお店知りません?え、えっちなことは別にできなくてもいいんです」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ええ、そのへんは蛇の道は蛇ですよ」
「そして将を射んと欲すればまず馬を射よとも言います」
「まず店長やボーイに声をかけるところから始めましょう」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「えっと…将を射んと欲すれば…?」なんのことか分からなかったが、次の言葉を聞いていく
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「シーン神殿に慈悲を乞うのも有効です。弱者に対する施しは彼らの存在意義ですから」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「あー…俺復讐がしたいからミリッツァ様を信仰してるんですよね。シーン…そういう手もあったかぁ」
「あっと。店長やボーイに声をかけるのはどういう意味があるんです?」ちゃんと聞いておこう
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「さっき声かけても逃げられたのは君のことをよく知らない状態で急にわけのわからないことを要求されたからです」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
それはそう
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「まずは上に話を通せば娼婦たちも安堵するでしょう」
店主 [酒場(娼館)]
「…そうだな。金を出すんならそういう紹介をしてやらんでもない」一応近くにいた店主がボソッと言う
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「なるほど…やり方が間違ってたかあ…」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「君は若いんです。そういうことはあります。ですがこれで経験を積みました」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「はい。リードさんのおかげです」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「このことを忘れず糧を得て成長していけばきっと父親の泣き顔を拝めますよ」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「…ええ!情けない泣き顔を晒させてやります!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「その調子です」
「さて、せっかくですし」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「?」何がせっかくなのだろうと
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「顔見世も兼ねて楽しんでみたらどうです?」とコインをいくらか出して
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「えっ…!?いやもう、吸精はさせてもらいましたし…!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「店主、この子にいい子います?」といたずらっぽく笑ってチップを渡す
「もう吸精はしたので普通に楽しむだけで無害ですよ?どうです?」
店主 [酒場(娼館)]
「…話を通せばいないこともない。種族の説明くらいはサービスしてやるよ」OKではあるらしい
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「いやあの…!俺金を払って吸精させてもらったことはあるけど、その…経験はなくて…!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「初物だそうですよ。そういうの好きな方は…」
店主 [酒場(娼館)]
「…ま、娼婦にはよくいるだろ」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「大丈夫みたいですね」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「…わ、分かりましたよ!ご厚意に甘えちゃいますからね!?」
店主 [酒場(娼館)]
OKのようなので店主はスッと話をつけに行った。店主退場!
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「大人が子供に甘えさせるのは当然ですからね」と頭を撫でて
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「も、もう…!」とちょっとぷんぷんするが
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「さあ、”男”になってきましょうか」とにっこり笑う
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「分かりましたって!…それはそうと、リードさん」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「なんです?」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「今日は色々と、ありがとうございました」深々と礼をする
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「いいんですよ。好き勝手しただけですし」
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「俺、まだ冒険者は駆け出しですけど…一緒に冒険するくらい強くなれたら、よろしくお願いします」
「…俺も、こんな時にカッコよくお金を出せる大人になりたいですから!」
リード・ジュニアール [酒場(娼館)]
「ええ、待ってますよ。待つのは慣れてますよ。ナイトメアですから!」とナイトメアジョークをする
ラーク・アズール [酒場(娼館)]
「はい。またいつか!」
そうしたやり取りのあとで、店主は娼婦を一人連れてきて、ラークは二階に消えていった…
おわり!
ラセリア [酒場(娼館)]