ｷﾀ━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━!!

ペット用のケーキという物がある
人間が食べる物そのままだとペットの体に良くないので、
材料を変えてペットが食べても問題ないようにしたものだ

さて、亜希子が主任として勤める双葉実装研究所では、このたび「実装用ケーキ」を開発した
今からその試作品を、実験体として生産工場から届いたばかりのリーフちゃんに食べてもらうのだ
「リーフちゃん、君にケーキをあげよう」
『ケーキ？』（以下、リーフちゃんの台詞はリンガルを通したもの）
「ケーキはアマアマな食べ物だよ。金平糖よりおいしいんだ」
『コンペイトウよりもテチ！？楽しみテチィ！』
リーフちゃんは金平糖など食べたことがないはずなのだが…さすがは本能に刻み込まれた食べ物だ

「はい、これがケーキだよ」
亜希子がリーフちゃんのケージの中に緑色のケーキが乗った器を置いた
『テッチュ〜ン♪アマアマな匂いがするテチィ♪』
うっとりして体をくねらせるリーフちゃん
確かにその物体からはむせ返るほどの甘い香りが漂っている
「さあ食べなさい」
『いただきますテッチューン！』
ケーキの器に飛び込まんばかりの勢いで、リーフちゃんは緑色の物体を食べ始めた
ぺちゃぺちゃと音を立て、服、前掛け、髪や顔を緑色に汚しながら、ケーキを平らげていく
『ごちそうさまテチュウ！』
お腹をポンポンと叩きながら、リーフちゃんは器の横に寝転がって満足げに息を吐いた
「うん、美味しく食べてもらえてよかったよ。じゃ、君はそのべたべたの体を洗って寝なさい」
『ありがとうございまテチュ！』
亜希子がケーキの器を片付け、入れ替えに水の入った器をケージに入れると
リーフちゃんは嬉しそうな顔で顔や服を洗い始める

『いきなり美味しいケーキを食べさせてもらえるなんて、ここはセレブなおうちテチ！
　ワタチはこれでカイジッソウテチ！』
そんなのんきなことをつぶやきながら、リーフちゃんは眠りに落ちた

亜希子はリーフちゃんのケージを見下ろして小さく呟く
「…まあ、あのケーキは実装石のウンコでできてたんだけどね」
むせ返る程に甘い匂いはウンコの臭いをごまかす人工香料、
くどい甘さもウンコの味をごまかす人工甘味料、
それらをウンコに混ぜて、軟らかく固まる凝固剤を混ぜて固めたのがさっき食べさせたケーキだ
上の人は、香料と甘味料と凝固剤とケーキ型をセットにして売り出せないだろうかと考えているらしいが…

「売れないと思うけどなあ…」

亜希子はポツリと呟いて、その部屋を後にした
【終】

良いスレ画だ...

>むせ返る程に甘い匂いはウンコの臭いをごまかす人工香料、
ああ、こりゃ飼ってる鳥とか死んで訴訟＆訴訟に至る奴だ
化粧品なんかでも体調不良や死亡するから…
現代は香料であまりにも臭すぎる、うしおととらのとらでなくてもおえーだ

雑な香料で高級感だして騙せるのは実装石以前に人間もかわりゃしない

「配達人間さんたちが置き配してくれるおかげで食べ物に困らなくなったテチ」
「オモチャの置き配もあったレチ持って帰って遊ぶレチ」
「人間さんへのお礼にみんなで置き糞しとくデス」
ブリブリブリ〜！

このように野良実装たちによる置き配ドロが相次いでいた

「もはや託児やゴミ漁りは時代遅れデス！」ブリブリッ！

そして置き糞と称してウンチを残していくのは・・・

「ニンゲンは頭悪いから荷物とウンチの違いも判らないデス！こうしてウンチ残してけば分からないデス！」

といった理由である

宅配ボックス需要がさらに高まりそう

「置き配の箱デッス〜ン、これにワタシの子供を入れてドレイが家に入れたらもうこの家とドレイはワタシのモノデッス〜ン」
上機嫌の野良糞蟲がとある家の置き配ボックスに託児を行う為にボックスの蓋を開けたその時
ブオオオオオオン！！！！
「デ！！なんですこの箱！！ギザギザがいっぱデギャアアアア！！」
置き配ボックスだと思い糞蟲が開けたのは実装鋼鉄処女（アイアンメイデン）
置き配ボックスに似せたこの箱は偽石に反応して電気が通り
内部の破砕機が起動＆ワイヤーを射出して糞蟲を強制的に取り込んで時間を掛けてグシャグシャに潰す虐待拷問道具であり、勿論その一部始終は自動的に録画されて後でゆっくりと糞蟲の末路を堪能出来る優れものであった

男は失望していた
世の中に
不思議な事など何もなく、突き詰めれば勘違い、間違い、気違い

実装石など現実にあらわれてはくれず、いっそ狂うて仕舞えればどれ程満たされたことか
夢想して、渇望して、懸想して

無味乾燥な人生
男は日々を過ごす、と言うよりかは、やり過ごす様な日々を送って生きてきた

それは今日も同じはずだった

夜

仕事帰りの近道　
公園を抜ける道

自然と目が茂みの、その根元に向かい、期待して、落胆して

死んだように俯き加減で家路を急ぐ
変わらない日常

引き裂くように

突如として、男の耳は微かな、しかしはっきりとした音を捉えた

デス…

はたと立ち止まり頭をめぐらせる
他の通行人は一瞬男を見遣ると視線の先を探るが直ぐに興味をなくしたように過ぎ去ってゆく
男は周囲など意識に入らない

いたのだ

そこに、
いたのだ、
あったのだ
あれが

実装石が！

薄暗い茂みの根元に、象徴的な目と、口
見間違うものか

男の頬は涙に濡れた

今迄何を見ていたのか自問する
見ているものが違ったのだ
見ているようでその実、本質を見てはいないのだ
虚構を眺めて勝手に失望していただけなのだ

夜だと言うのに何もかもがはっきりとした輪郭を持って鮮やかに浮かび上がる
視界は輝きに染まる

開眼した
そう悟った

一度眼が開いてしまえば、世は実装石が蔓延っていた

茂みにも、建物の影にも、壁にも、金網の向こうに、池の畔に、地面に、行き交う人々そのポケットに、靴に、本に

ああ、私は、俺は、僕は、実装石に囲まれていたのだ
実装石は常に共に生きていた

視界を染める輝きは目も眩むほどで、思わず眼を覆うが、視界を閉ざしてもわかる、いやむしろよりはっきりと視える

荒い息遣いが、喧しい声が、微かな足音が


跪いて嗚咽を漏らす
両の目を抉ると男は歓喜の声を挙げた

Happy　Birthday！

削除したレスのようなことは楽園でやってください

排ガス規制によって各メーカーの原付バイクの生産が終了しデスゥクーターもまた生産終了した
しかし実装向けに電動キックボードのシェアリングサービスDeepが出現し新たな社会問題と化していた

「一方通行の公道逆走してのひき逃げアタック最高デッス〜ン♪」
交通ルールをガン無視しヒャッハーする糞蟲たちによって日本の交通戦争は新たな局面を迎えていた

飼育槽から逃げる仔実装を飼育担当の職員が追いかける
飼育員は知らない
こいつは2日後には（飼育員の食料）として処理される

また食用実装石飼育槽から仔実装が二匹も脱走した
前回のは実蒼石だったので捕まえて即非食用飼育槽へ
今度はコロリでおびき寄せて廃棄である

オレ「」の安アパートで玄関開けたら毎度おなじみ
薄汚いおあいそ実装親子が足元にいた
「デッスーン！デスデス！」
リンガルアプリ開いたら（うちの仔可愛いし賢い！絵も描ける！）ってやけに自信たっぷりな翻訳文が出た
「じゃあなんか描け」と翻訳通したらその仔実装はいきなりパンツ脱いでウンコして…廊下に●△○って手でウンコなすりつけたんだ

ほうきで親子共々叩き潰してミンチ状の何かを掃除した
…何かの嫌がらせかと思うと泣けてきた

じゃ、望み通り

シミュラクラ現象、と呼ばれるものがある。
逆三角形状に配置された点や線を見ると、人間の脳はそれを顔と認識してしまう、という現象だ。
人間の脳が持つ本能的な働きなのだそうだが、それ故に苦しめられる人がいるとは、なんと因果な事だろうか。

「馬鹿な姉、だったんです・・・」
そう切り出したまだ若い女性の目は、アイマスクベールで覆われていた。

私はフリーランスでライターをしている。
今回は「悪質ホストクラブによる被害者の会」からの依頼に基づき、 被害者本人やその家族からの聞き取り調査を行い、
レポートにまとめているところなのだが・・・。
依頼を受けて以来、毎度毎度悲惨な話ばかりを聞かされて気が滅入りそうになる。
今日取材を受けてくれたご夫婦からのお話も、ご多分に漏れずといった内容になりそうだった。

今日はご夫婦が住んでいるマンションにお邪魔しての取材である。
女性の隣に腰掛けている旦那さんの眉間には、わずかに皺が寄っていた。
「君子危うきに近寄らず、とか、身の丈に合った生活を、って私の父が常々ロにしていた言葉だったんですが、姉には全然届かなかったみたいです」
だから・・・、と女性は続けた。
「ホストに嵌って、推し活だ、なんて言ってたくさんお金を貢いで、お金が足りなくてパパ活と称して売春までして・・・、本当に馬鹿ですよね」

この女性、秋穂さんの、被害を受けた当時の家族構成は、公務員の父、パート従業員の母、 社会人の姉の敏美さん、そして大学生だった秋穂さんの四人家族だった。
社会人となり一人暮らしを始めた敏美さんは、会社の同僚に誘われてホストクラブに通い始め、その後はどんどん推しのホストに入れあげて・・・といった具合に、経済的に破滅するホスト狂いの典型例を辿って行った。
問題は、破滅する過程において何の罪もない秋穂さんが巻き込まれたことにあった。

「でも、私には良いお姉ちゃんだったんです。勉強を教えてくれたり、一緒にお出掛けし たりとか」

推しのホストから支払いを求められた金額は一千万円近くに上った。無論社会人になりたての敏美さんに支払える金額ではない。
敏美さんは実家に助けを求めたが、ご両親は借金を肩代わりするではなく、ホスト遊びを止めて自己破産ないし債務整理するように諭した。これは金銭的被害を最小限度に抑えるには最善に近い手だったが、敏美さんが聞き入れることはなかった。
敏美さんはホストから稼ぎの良い仕事があると風俗店を紹介され、元々勤務していた会社を退職。さらにはパパ活で稼いでその金も推しのホストにつぎ込んだ。借金は減るどころかさらに膨らみ・・・といったドツボに嵌ったところで、事態はさらに悪化した。推しのホストが、何をとち狂ったのかホストクラブの金を持ち逃げして、敏美さんの元に転がり込んで来たのだ。
おそらくホストは金蔓になる敏美さんを連れ何処かへ逃げようと考えていたと思われるが、今となっては真相は闇の中だ。
秋穂さんが、連絡の着かない敏美さんの元を心配して訪れたのはそんな時だった。

運の悪いことに、さして時間を置かずに、ホストを追って来たいわゆるトクリュウ（匿名流動型犯罪グループ）のメンバー達が三人の元に現れた。
秋穂さん達はそのまま拉致され、近くのビルへと連れ込まれた。
ホストは持ち逃げした金の隠し場所を聞かれても答えなかったため、秋穂さんと敏美さんの前でリンチにかけられた。
ご自慢の顔が腐り落ちたトマトのようになるまで殴られたが、ホストは結局答えず仕舞いだった。（おそらくこの時点で既に持ち逃げした金は使い果たしていたのだろうと思われる。)
次に標的にされたのは敏美さんだった。トクリュウのメンバー達はホストと敏美さんが共謀して金を盗んだと考えていたようである。（秋穂さんについては事件発覚阻止のため一緒に連れ去ったとのことだった。）
ホストと同様に金の隠し場所を吐かない敏美さんに業を煮やしたトクリュウのメンバー達は、敏美さんに対して文字に書き起こすのも躊躇われるようなおぞましい行為に及んだ。

全裸にして、かつ両脚を大きく開かせた状態で身動き出来ぬよう縛り上げ、何処からか拾ってきた何匹ものマラ実装をけしかけたのである。
穴があれば大喜びで見境なく突っ込むマラ実装共は、歓喜の雄叫びを上げながら敏美さんに襲い掛かった。
敏美さんは耳をつんざくような悲鳴を上げたが、それは間もなく口にねじ込まれた一物によってくぐもった呻きに変わった。
口、膣、尻穴と、敏美さんの穴という穴に一物をねじ込んでは腰を振り、汚液をぶちまけるマラ実装共。
穴からあぶれた数匹のマラ実装は、気絶していたホストの口に一物を咥えさせたり、顔面に糞をたっぷりひり出すといった真似までしていたらしい。
狂った乱痴気騒ぎは、帰りの遅い秋穂さんを心配したご両親が警察に通報し、秋穂さんのスマホを追跡して保護するまでの数時間に渡って続いた。
秋穂さんに直接的な危害が加えられることは無かったが、その心に決して消えぬ傷を負わせるには十分だった。

秋穂さんと敏美さんは保護され、トクリュウのメンバーは逮捕された。
ホストはこの時点でマラ実装共の糞により窒息して心肺停止状態に陥っており、後に死亡が確認された。
マラ実装共は一匹残らず捕獲され、証拠品として扱われた後保健所にて殺処分された。
だが、秋穂さん達の苦しみが終わることはなかった。
「それからなんです、逆三角形の点や線が、あの糞蟲共のにやけ面に見えるようになって しまったのは・・・」
トクリュウのメンバー達は、マラ実装共が敏美さんをよってたかって輪姦する様を秋穂さんに見せつけた。
鼻息荒く膣に一物をぶち込んでは腰を振り、白濁汁をまき散らして満足気な鳴き声を上げるマラ実装共。
一部のマラ実装は秋穂さんに嘲笑を向けながら敏美さんに腰を打ち付けていたという。
「すごく、すごく気持ち悪くて、その度にお姉ちゃんが泣き叫びながら犯されてる光景がフラッシュバックして・・・」
トラウマが刺激されたのだろうか、胸を押さえながらも秋穂さんは言葉を続けた。

「でも、自分の目を潰す勇気も無くて、こんな風に、自分の視界を閉ざす事しか出来なくて・・・」
このことが原因で、まともに出歩けなくなった秋穂さんは大学中退を余儀なくされた。
秋穂さんの隣に腰掛けていた旦那さんが、労るように秋穂さんをそっと抱き寄せる。
旦那さんは秋穂さんと同い年で、高校時代から秋穂さんと交際していたとのことだった。
秋穂さんがこのようになっても支え続けているのは、やはり愛情ゆえなのだろう。
「お姉ちゃんは完全におかしくなってしまいました。もう、病院からは出られないかもしれないって言われています」
マラ実装共に輪姦されて以来、敏美さんは解離性同一症と思われる症状を発症して、精神病院の閉鎖病棟に現在も入院中だった。
実装石じみた言動をする人格と、本来の敏美さんの人格が不規則に入れ替わる点や、 特に本来の敏美さんの人格が強い希死念慮に支配されている点から、
早期の寛解、退院は 不可能だろうとのことだった。

「お父さんもお母さんも、ずっと 自分を責め続けています。あの時、お姉ちゃんの代わり
にお金を払っていたら、もっと厳しくお姉ちゃんを引き留めていたら、って・・・」
第三者である私の目から見た場合、秋穂さんもご両親も自分を責める必要などないのだが、やはり肉親への情がそうさせるのだろう。
「だから、お願いです。 私達のように苦しむ人がこれ以上出ないよう、 沢山の人に現状を知って欲しいんです」
その願いが届くかについては、正直なところ自信が持てなかった。

私は（さして多くはないが）謝礼をお渡しして辞した後、インタビュー内容をレポートにまとめて依頼主に提出した。
さすがにマラ実装云々の箇所は除かれた形になったが、レポートは依頼主が啓蒙活動をしていく上での事例の一つとして扱われる事になるとのことだった。

私としては報酬を受け取ってそれで終わり、となるはずだったが、やはりどこか割り切れないものを感じていた。
こういう時は軽く酒でも飲んで忘れるほかない。
私が行きつけの飲み屋に足を向けると、視界の端に緑色の小さい人型が映った。
仔実装が一匹、テッチテッチと不用心に歩いてくる。
おそらく、親の言いつけを破って勝手に家を抜け出して来たのだろう。
無視しようかと思ったのだが、何を思ったのか仔実装は私の前に回り込んで、
「テチュ〜ン♪」
媚びて見せた。
リンガルを使わなくても分かる。
かわいいワタチを飼わせてやるからありがたく思え、とでも言っているのだろう。
「ヂッ！？」
私は仔実装を蹴り漬して地面の染みにしてから、改めて行きつけの飲み屋へと足を向けた。

>No.1518008
や既に消されてしまったスクに触発されて書いてみました
スク書くのってやっぱり難しいですね

『ここは飼い主が高齢になったり病気や引っ越しなどが原因で飼育できなくなった実装石を預かる民間NPO団体施設「翠の園（みどりのその）」です
※以下預かり実装の声をリンガルアプリで翻訳…
（こんにちはデスゥ！飼ってくれるデスゥ？）
（デスデス！捨てないでデスー！）
（おうたを歌うテチ！ゴシュジンサマ！）
…ここに来た実装石達は譲渡会で新たな飼い主の元へ…
にはならず（実装フード材料）として一定期間飼育した後に出荷されるという
飼育する理由は元の飼い主がひょっこり面会求めて来訪する事があるから…』

双葉チャンネルスタッフは後日取材メモを読んで具合が悪くなったそうです
NPO団体取材後に貰った実装フードの原材料を思い出し自身の飼い実装に与えてしまった後悔の念に襲われているとのこと

…放送はその後NPO団体が不適切な実装石飼育が原因で近隣住民とトラブル起きたためお蔵入りとなったようだ

オネチャが言ってたデスゥ…黄色い葉っぱがたくさん出てきたときはアマアマたくさん集めるデスゥと
ニンゲンサンが食べこぼしたものやイモムシや木の実…飲み水や布団代わりの葉っぱもかき集めるデスゥ
もうオネチャはいないデスゥ
わたちがガンバッテ集めないとデスー

成体実装石になりたての若き野良実装がたくさんの食料を抱えて段ボールハウスへ戻ってきたときちょうど公園管理の清掃員がハウスを撤去しているところだった
野良は叫んだ…泣きわめいた
だが清掃員はパンコンして胃それに臆することなくほうきで一撃
清掃車に放り込んで去っていった

その光景を茂みの奥で見ていた野良実装は助けないで見るだけである
清掃員が去ってからが越冬の準備であると心得ているのである
冬はもう近い…

>パンコンして胃
修正：パンコンしていた

ぶりゅ。ぶりょりょりょりょ…
『双葉としあきさん、ミドリちゃん、失格です。ご退室願います。』
「おっま、こんの糞虫ぃ！やっぱりオムツ要るんじゃねーか！」
デェェェェン、デェェェェン、あの映画見だがっだデズウウウウウ！

あーあーあー、あの人脚まで緑色になってーら…着替え持参してんのかね
周りには他にも実装種と人間、番号のついた椅子に座って映画を見ている
映画そのものは実装種向けの娯楽映画で２時間３０分と長めの物だが、この会場の主題は映画観賞じゃない
この会場で行われているのは実装種と飼い主一組の、外出免許の交付試験である

実装種は性格に難があるものが多く、外出先でトラブルが増えた事から始まった試験だ
中でも鬼門になるのはもちろん…

ぶりっ、ぶりぶりぶりぶり…また一組失格だ
実装種のシモの緩さである

ポェー…ポェー…という鳴き声と共に、スカートを蒼色に染めたご婦人が会場から出ていく
ボク！ボク！ボク！と親実蒼らしきモノが仔にむかって怒っている
仔はそろそろ中実蒼になるかといったところか？

他実装だって実装種だ、シモが緩いのは実装石となんら変わりが無い
躾もなんもしてない野良や野生下の奴らのシモの状況を見ればおもらし加減は結局実装石とどっこいだ
だのに他実装種が実装石よりイメージが良いのは、漏らした直後の反応の差が大きいのだろう
つまるところ恥じらいというやつだ

実装石の場合は漏らしても、どうにもこいつら恥じらいが変な方向に行きやがる
チラッチラッとこちらを見て、最悪デップーンと汚れた股を開いて見せに来る
それに対して他実装の場合は一応恥じらいがあるのか、泣いたりどうにか隠そうとしたりする

その性質の差のおかげで精神的なシモの躾はしやすいのだ
そう、精神的な物だけは。身体構造的なシモの緩さは先ほどのご婦人のとこの通り、実装石となんら変わりが無い

ﾁｬ･･･ﾁｬﾜ…
ぽた、ぽたとお隣の席から音がする。真横なもんだから小便と紅茶を混ぜたような臭いが鼻につく
右のお隣さんは実装紅のブリーダーなのか、個体毎に違う番号のバッジが付いていた
出荷前のブリーダーがもこうして試験を受けに来る、試験をクリアした個体なら高級品としていくらか高く売れるからだ

『白井たもつさんの６番ちゃん、失格です。ご退場願います』
ﾁｬ･･･ﾁｬｧ…と仔実装紅がおびえた目でブリーダーを見るが、見えた表情は閻魔もかくや

ﾊﾟｷﾝという音とともにぶりょぶりょぶりょと、今度は糞の臭いが鼻に来る。もはや紅茶の気配も糞もない
チャバ！？　ﾁﾞｬ!!?ダワワー！？
と、ブリーダーの手元の他の実装紅達が連鎖的にパニックに落ちて、股と椅子をびちゃびちゃと濡らす
『白井たもつさんと、白井たもつさんの１番２番４番６番ちゃん、失格です。ご退場願います』

はぁ、と溜息を付いてお隣さんは実装紅６体と肉一つを抱えて退場していった
飼育実装の統制をとれないブリーダーと見られただろうから、しばらく大変だろうな

自宅では我慢できる個体でも、異なる環境では自分で制御しきれないなんてのはよくある話だ
先ほどの実装紅達も、ブリーダーの家ではなんとか自制できていたのだろう

そういう、普段と異なる環境下での状態も見るための試験だから
会場の臭い、音、人間・実装種の集団やらもいくらかは会場側で用意した仕掛けがある

今見ている映画そのものにも仕掛けがあると聞いている
スクリーンに目を移せばヒーロー役の実装紅とヒロイン役の実蒼石が
ぬちゃぬちゃと音でもしそうなくらいディープキスをかましてやがった

妙に不自然に差し込まれたシーンだったから、このあたりに何かしかけてあるんだろうなぁと思っていたら
後ろの方からデっぴゃあああ〜！！♪と、聞こえてきたので、そおら馬鹿がかかったわ。

ぶるんぶるんと先っちょから汁を滴らせてスクリーンに向かって突撃してらぁ

「エメラルドちゃん！待つザマス！暴れちゃダメザマス！」
見るからに愛誤派なおばさんが慌てて横を通り過ぎる

デープッデプッ、デップデプ♪と、間抜けな声といっしょに
すっちゃすっちゃと音がここまで聞こえるので最前席でマスをかきはじめたようだ。
「エメラルドちゃん！おちんぽこすっちゃダメザマス！せめて出すのは帰ってからザマス！」

試験官の方々もマラ実装がここまで暴れるのは想定してなかったのか固まっていらっしゃる
あーあーあーあー、他の実装達もいくらか連鎖崩壊してやんの

デプッデプッデプッデプッ、デ…プッ…ｳｩンｯ
「えめらるどちゃぁぁぁぁん！！」
あ、果てやがったな？

べちゃっと重たい水袋でも落としたような音とともにマラ実装が前のめりに潰れる

現在映画が始まって１時間４２分、あそこまで自制が効かない糞蟲ならもっと前にやらかしてるはずと
訝し気に見てみれば、どうやってたかは至極単純な物だった
そりゃぁマラも刺激されるわな、チンポついてる身としてはマラ実装には少し同情した
うつ伏せに突っ伏した図体は通路の真ん中に居て、ここからでも見える
そこそこ離れたここからでも見えるサイズだ、真っ黒いディルドが半抜けでぶっささってやがった

ぴっデぴっ、でぴっデっ…ぴっ…
「えめらるどちゃん！？えめらるどちゃん?えめらるどちゃああああああああん！！」

あの婆さん愛誤派も愛誤派だわ、正真正銘のダメな愛誤商品の『お出かけディルドギガギガス』じゃねぇかあれ
実装石の孔を物理的に塞いで粗相させませんとかいう馬鹿コンセプトの
確かあれはサイズが馬鹿過ぎて、実装石の内臓にがっつり負担を掛けて殺してしまうって話でリコールくらってた奴じゃないか
そりゃマラにも肉体にも刺激がありすぎてイっちまうわな

『葉双ジュンさん、エメラルドさん、失格です。ご退場願います』

すごすごと、婆さんはマラ付のでっかい肉を重そうに抱きかかえながら去っていく
よくぞまぁあんなのがこんな時間まであんなのが残ったものだ

ここまででも映画そのものにはいくつか仕込みがあるように思えた
映画は上映時間の長さでのふるい落としのほかに、実装種のやらかしがちな暴走を誘発しそうな内容が含まれている
それは実蒼石や獣装石の狂暴性を煽るような血だったり、実装金や実装雛の食欲を暴走させるような食事シーンだったりだ

退場させられた組には画面の暴力行為に暴走して隣の実装石の腕を切り落とした実蒼だったり
実装石を虐める実装紅の姿に興奮してしまって、チャワチャワと鞭のように髪を振り回して飼い主の足にみみず腫れを作った仔実装紅が居た

軽い刺激でもそうして暴走するのだから、人間の街へなんて、飼い主を伴っていてすらお出かけさせるのがどれだけ難しいか分かる物だろう

映画がクライマックスにさしかかる
デヒャヒャヒャヒャとけたたましい声で額に６６６と刻印された実装石が宙に浮かんでいる
それに相対するのはヒーロー役の実装紅、ヒロイン役の実蒼石、お山を荒らされた山実装の一団

映画が始まって２時間２０分、試験会場の席は埋まっている所がずいぶんとまばらになってしまった
人間でも水気を飲みすぎたらトイレに一度行きたくなるくらいなのだから
シモの緩い実装種の体で我慢しきれるはずもなく、８割がた９割がたがすでに脱落している

漏らし切らさずに我慢させようとするなら物理的に対策が必要になるし
多少迷惑にならない程度に漏らすのを許容するなら事前の飲食を制限した上でオムツを着用させるくらいしかない

試験としての正解は我慢しきる事が最善だが、他にも回答はある
もじもじいごいごと、左のお隣さんの清潔そうな実装石がもんどり打っている
ぱっと見でそいつは高級実装みたいで眉毛の無い眉をぐんにょり歪めて飼い主の袖をぽふぽふ叩いている

模範解答の一つ、ちゃんと飼い主に便意を伝えて、漏らす事無く途中退席してトイレに連れて行ってもらう
単純な話だが、それができない実装種は多い
シモが物理的に緩いから、少しも留められずにノータイムで漏れるか、留められても少しでも動かしたとたんにヘドロのダムが決壊する

実装種の糞はなぜか軟便かつ量が多いのが基本であるのだから、そうなると我慢させた時間の分だけ量も比例して増えるので
オムツを履かせていたとしても、とても受け止めきれるものではない

それを考えれば左のお隣さんの高級実装は肉体的にも頑強だったのかよく我慢できている
ぽふぽふぺしぺしと、３分ばかり飼い主の手をたたき続けているのだから

不幸だったのは飼い主が完全熟睡していた事か、試験官がじっと左のお隣さんを注視している

高級実装の動きがピタっと止まって、グスグスと鼻を啜りだした。どうにもならなかったようだ
飼い主は未だにグーガーと眠っている。実装種側が頑張れても、飼い主側がダメならそれで失格なのがこの試験だ
『八羽ノブ雄さん、失格です。ご退場願います』

起こされた飼い主は「仕事で疲れていたんです」とかごねているが、これは試験なのだ
その横ではグスグスと、汚れた実装服をつかんで高級実装が声は出さずに泣いている

『八羽ノブ雄さん、ご退場願います』
試験官が二人、左の飼い主さんの両脇を抱えて会場外へ追い出していく
実装種の飼い主も大概厄介な性格の人間が多いものだから、試験する側もとにかく容赦が無い
ずるずると引きずられていく飼い主を、高級実装がてぼてぼと追いかけて退場していった

試験で見られているのは実装種だけじゃなく、飼い主もしっかり審査対象なのだが、どうにもそこを理解している飼い主は少ない
この試験で見られているのは『何をしてもよいので、実装種とその飼い主が、世間様に迷惑を掛けずに外出できるかどうか』ということだ
失格時のご退場アナウンスに関してもそうで、従わない飼い主はそれだけ世間様に迷惑をかける可能性が高い人物として次回以降の試験での要注意リストに載ると聞いている

極論すればさっきのばあさんみたく物理的に実装石の総排泄孔を塞いだ状態で外出してようが
先ほどの高級実装がやりたかったように、飼い主にやらかす前にトイレに連れて行ってもらおうが
『どうゆう方法で』迷惑を掛けないか、という部分は問われていない

『だから、お山に手を出すなと言ったんデスぅーーーー！』
画面上ではそんな山実装の長の悲鳴と共に、６６６の実装石とそれに切りかかった実蒼石がドーンと飛び出した何かデカいのに飲まれていった
映画の落ちは端的に言えば全滅エンドだった。いやまぁ相方実蒼の仇討ちとはいえ、あんな超特大実装音叉ギミックで自分ら諸共殲滅するとは

画面上では大量の実装種の死骸という凄惨な画が映し出されているが、これも試験内容の一つのようだ
同族が間近で死んでもパニックにならないかどうか、死に易い壊れ易い実装種相手には必要な確認項目ではある
…のだが会場自体で起こった事のほうが色々と悲惨だったものだから、画面上の死体程度じゃここまで残っている実装種達にはまるで意味が無かった

上映終了。『お疲れさまでした、出口まで焦らずにお戻りください』
最後のトラップだ、以前はここで引っかかった。このお疲れ様でした、というセリフが厄介だ
試験の方はまだ終わっていないのだ。それでもこのお疲れ様でしたというセリフは気を抜かせる

ｵﾄｲﾚ…ｵﾄｲﾚ…ｵﾄｲﾚ……ｱｯ……ｱｯ、ｱｯ、ｱｧ…
珍しい薔薇実装がその場にくにゃくにゃとへたり込む
『弐丸いもとさん、ホープちゃん、失格です。ご退場願います』

会場の大部屋を出て、薔薇実装を連れた飼い主が左へ行く。ここまで粗相をしなかった組は右へ行く
ここまで来た組は皆試験の趣旨をわかっている人達ばかりなので、皆通路の途中のトイレに入って行く

トイレからはﾃﾞｽﾎﾞｸﾀﾞﾜﾅﾉｶｼﾗと喧騒が聞こえる
ちなみに実装燈の声が聞こえないのは、身体構造的に排泄物を垂れ流しにするしかない存在だからだ。試験の受けようが無い
実装燈の原点の存在にお腹が無かったのが原因だとか言う都市伝説があるが、流石にオカルトまでは確かめようが無い

トイレは通り過ぎて、案内に従って目的の部屋へ行く
中に入ると試験官が居て、免許か履歴書の時にでも使いそうな機械で自分と手元の実装石の顔写真を撮り
二枚の顔写真が印刷されたカードが二枚プリントアウトされた

『黒浦順次さん、トイちゃん、お疲れさまでした。このカードを外出時に見える場所かすぐ取り出せる場所に携帯してください』
そう言って、カードが渡される。このカード受け取ってようやく試験が終了となる
ありがとうございました、お疲れさまでした、そう言って部屋を出た

会場を出て、深呼吸が二つ。まともな空気はこれほどに美味い
会場の臭い抜きはさぞ大変なことだろう。糞小便はもちろん、人間のもらいゲロやら、実装種の血やら、果ては精液まで

つくづく、まともな空気が本当に美味い
スーハースーハーと二つの体が深呼吸する
トイの方はよく見るとオエ！オエ！と吐きたそうにもしていた
「試験合格直後にそれは止めような？そもそも物理的に吐けんだろうに」

実装石のトイを持ち上げる、中身が物理的に少ないので軽いものだ
デスデスとでも言いたそうに口をパクパクさせてジェスチャーするが特有のデスデス声は無い
ぐるぐると、抗議のぽふぽふパンチを無視して点検する。
パンツに染みは無し、これなら次回以降は中身を戻してやっても自力で試験をクリアするだろう

ぐいぐいと腹を押してみるとペコンペコンと簡単にへこむ
ハラワタが無いから内圧が無い、実装石らしからぬ絞り切ったマヨネーズ容器のごとく

糞を漏らすのがNGだってんなら、そもそも内臓が抜いてから外出してしまえば良いんだ
実装石ならそんな無茶苦茶な方法も可能だ

試験で見られるのは、結局のところ周りに迷惑を掛けないかの一点だけなので
だからこんなズルでも許されてしまう、実装石の状態までは言及されないのだ
乱雑な扱いでも一切鳴かないのは似たような物で、デギャデギャとケタタマシイ叫び声を出させないように声帯も切除済み

牛の角切り、ペットの去勢みたいなものだ、やる奴はやっている

べしべしべしと力強く叩いてくるのでおろしてやる、無遠慮な触り方に限界が来たようだ
降ろしてやると短い脚で、すー、とん、すーとトン・ツーを打ってくる

喉をつぶしたコイツは普段の扱いに耐えかねるのか、なんとしてでもこちらに意思表示しようとして色々と使ってくる
最初はミミズののたくった字で読めないこっくりさんの紙と１０円、次には手話、短い指じゃわからんと言ったら手旗に変わり
面白いので通じるような通じないような、中途半端に聞こえてるような態度をとり続けると、コイツは次々あれこれとこちらに試してきた
今では家ではひらがなスタンプと紙を使って意思表示をしてくる

覚えてきた内一つがどこでどうやって覚えたのかモールス信号だった
外出時や、紙にちまちまスタンプする時間の無い時はこうしてトンツーを打ってくる
メモって翻訳すれば、内容は モウオソトイキタクナイ

折角試験に受かったのに、コイツは何を言っているのか

何故か？と問う。とんとんすーとんすーとん、モールスとしても早口気味に返してくる
アナタ ガ ツレテイク バショ ゼンブ ヒドイ
イツモ ダレカガ アバレテテ ドコモ ダレカガ シンデル
イツモ イツ マキコマレルカ コワイ　コワイカラ モウオソトイキタクナイ

つまるところ、コイツにとっての外が尽く危険地帯だからもう外に出たくないとのことだった
そりゃあそうなる、コイツを連れて外に出て見せた光景はあの外出試験が何回かだもの

サッキノ バショノ ミンナハ マエヨリ ヒドイ
オソトガ アンナコ バカリナラ ワタシハ モウオソトイキタクナイ

少なからず、会場に居た周りの実装種の有様がトラウマになっているらしい
一通り意思を伝え終わるときゅっと固まって、じぃとこちらの目を見ている
拒絶を少なからず感じられるたたずまいだった

人間基準での外に出ても良い実装種の出来上がった結果の一つが、外の世界を嫌がる代物

なんというかある種の矛盾を感じる結果だ
自由を欲するありのままの実装種は外出禁止、外出可能なまでに弄った実装種は御覧の有様というのは

しばらくするとプルプルと涙まで浮かべだした

とは言ってもねぇ…
「申し訳ないけど、この試験、登録されてる飼い実装とその飼い主は半年に一回受けないと駄目なんだよ」
実装種の堕落速度は恐ろしく早いのも相まって、一年どころか半年毎のチェックが必要だと、公の人々は判断しているらしい

「だから、お前が生きてる限りは定期的にここで映画を見るよ？」
その言葉はコイツにとっては死刑宣告のようなものだったらしく、一瞬表情が抜け落ちた

ぶちり、と唇をかみちぎる音が聞こえて、目からは色が付いた涙を流す
染み一つない実装服に、その日初めての汚れが付いた

声も脱糞も奪われた実装石のせめてもの抗議の行動だった

2024年2月1日生まれ・同年10月31日没
虹黒エスメラルダちゃん（10ヶ月）
添付した写真はハロウィンパーティーだ！お菓子をたくさんもらうデッスーと張り切る様子をスマホ撮影したモノだ
そして家々を回る…そしたら一軒目でパピヨンと白猫と兎に踏まれて即パキン
パピヨンに負けるとはね〜と友だちから笑われるが多分一緒に遊ぼうと寄ってきたんだと思う
パピヨンだけならまだいいんだけど猫パンチも兎キックもクリティカルに偽石狙ってくるんだよ
なんか本能的に敵認定されたのかな…うーん

あと写真だけど…サムネイルが真っ黒になるのは何かの呪いなのか原因不明

実装石とホームレスは仲が良い
もちろん、中には虐待するようなものも居るが、全体の傾向としては良好だ

段ボールで居を構え、臭いもするし、良く食べ物なんかを探している
特に酒や薬をやっている層とは仲が良い
赤ら顔で陽気なホームレスが実装石とダンスを踊って居るのは公園の外れやら橋の下なんかではよく見る光景だ
勢のまま踏み潰してしまって少し残念そうにしていることもある

公園の外れ、木陰に腰掛ける男がいた
「よお、サブよ、おめえ、親はどうした」
すきっ歯で、蛍光グリーンのジャケットを着た年嵩の、ひょろっとした男だ

「デスゥ…」
サブと呼ばれ、項垂れて答えたのは小ぶりな成体実装
服の様子を見るに若めの個体、もう少しばかり大きくなるだろう

「ほー、そうかあ、親離れしたかあ」
そう言うと男は酒を呷り、でしゃしゃしゃ、と言う特徴的な笑い声を上げる
近所では実装石と夜な夜な宴を開く男として有名だった
「まあ、食えよぉ」
あたりめを押しやる
「デス…」
サブは頭を軽く下げてあたりめをしゃぶる

「サブが親に連れられてここに来始めてから半年以上たってんだなあ、大きくなるわけだわ」
「デェ」
「はえーもんだなあ」
「デェ」
サブは項垂れたまま頷くばかりでよくよく見ればあたりめもふやけて減る様子がない
「さみしいのか、サブ」
「デェ…デェック…」
赤緑の涙が落ちる
「しょーがねえやっちゃなあ…ほれ、こっちこい」
男はサブの両脇に手を差し込むとヒョイと持ち上げた
「デデッ、デヒｬｯ！」
脇をくすぐる感触にサブが身を捩る
「おらっ、じっとせえ」
そのままサブを膝に座らせると抱え込んで身を揺らし、歌い始めた
「でっでろげー、でっでろげー…こんなもんかあ？そら、でっでろげー、でっでろげー」

サブが男を見上げる
「でっでろげー、でっでろげっげっー、でっでろげー♪」
男は身を揺らし歌い続けた
サブの目に涙が溢れた
「デッグｩ、デェ…デ、デェ〜ン！デェ〜ン！」
恥も外聞もなく泣き喚く
ひと気のない夜の公園、その外れ
月明かりと虫の声
見咎めるものは居ない

ひとしきり歌い終わった頃、
男の手が実装服の裾から滑り込む
サブの躰つきを確かめるように、足、腹、胸へと撫で上がる
弾力を確かめるように柔く起伏に沿って

いつの間にかサブの泣き声はやんでいた
代わりに荒い息遣いだけが聞こえる
男とサブは、今宵一つになる

コキリと軽い音がしてあサブの首が折れる
実装石はこれくらいでは死なない
男は動かなくなったサブの足を縛り手近な枝に吊るすと良く研がれ細身になった包丁を取り出した

「少し小ぶりだが頃合いだろう」

サブが呻く
目を見開いて男を見つめる

男は古びた鍋を取り出すと、サブの喉を割き、舌を取り出すと切り取って鍋に放り込んだ

サブの目から黒い涙が落ちた
「おとと」
男は慌てて盃を取ると血と混じらないように気をつけて涙を受ける

次いで総排泄腔をぐるりと切り取ると腹を裂きワタを出す
一直線の消化器官と肺、心臓を除けばがらんどうだ
手際よく内臓を処理すると古びた寸胴に放り込んでポリタンクから水を注ぐ

パキンと言う小気味良い音がした
吊るしたサブが事切れたようだ
内臓を取り去っても、直接の死因は偽石の自壊とは、しぶとさには感心させられる

手足と胴体に分け、胴体はぶつ切りにして寸胴へ

手足は皮を引き剥ぐと適当に切って下味をつける
網に乗せて焼き出した
寸胴も火にかけると一息、黒い涙の盃に焼酎を注ぐ

澄んだ酒が炭を混ぜたように濁る
一部は分離して煤のような澱となった
舐めるように口に入れる
独特のえぐ味に顔をしかめるが、ほんの一時、キレのある酸味が顔を出し、直ぐ様ふわりとした甘みが広がりスッと引いた
鼻には焼酎由来の芋の香りと遠くに綿飴のような匂いが抜ける
ぐるりと男の腹が鳴る

男にとってこの涙割りは食前酒としてこの上ない

頃合いに焼けた脚肉にかぶりつく
パリッとした表面が割れ、肉汁が溢れる
汁気は多いが不思議とスカスカの肉質で普通なら食べようとは思わないだろう
男も最初に食べたときはそう感じていた
だが、飢え死ぬかの二択であれば是非もない食べ続けるうちに、口が慣れたのか、ご馳走になっていた

足先を持って肉を骨からむしり取る強めの下味は酒と、実装肉にはピッタリだ
一刻ほどして焼いた手足を食べ終えると男は一人ごちる
「なあ、サブよ、これでさみしくねえだろう」
腹をひとなで
「ごちそーさん」
実装石とホームレスは仲が良い

ジックス展開になるんじゃないかとひやひやした
ハッピーエンドで心も温かデスゥ

>2024年2月1日生まれ・同年10月31日没
>虹黒エスメラルダちゃん（10ヶ月）
>添付した写真はハロウィンパーティーだ！お菓子をたくさんもらうデッスーと張り切る様子をスマホ撮影したモノだ
>そして家々を回る…そしたら一軒目でパピヨンと白猫と兎に踏まれて即パキン
>パピヨンに負けるとはね〜と友だちから笑われるが多分一緒に遊ぼうと寄ってきたんだと思う
>パピヨンだけならまだいいんだけど猫パンチも兎キックもクリティカルに偽石狙ってくるんだよ
>なんか本能的に敵認定されたのかな…うーん
>あと写真だけど…サムネイルが真っ黒になるのは何かの呪いなのか原因不明
投下乙です
ありとあらゆる生物が天敵になりうるクソザコ生物なんやな

フーッ、フーッと興奮の吐息を吐き出す
ビクン、ビクン、と股間でソレが脈打つ
目の前には魅力的な孔
孔の付いた肉は怯える実蒼石

デッズァアアアア！と実装ボイスがあたりに響き、突撃一番

グチャン、とジックスではおおよそ聞きそうにない音がして
魅力的な孔はただの蒼い血色のミンチになった

ギャハハハハ！と飼い主さんの声がする

蒼色の血肉で濡れたマラを冷たい風が刺激する
なんで、なんでこうなったンデスゥ？
風に吹かれて股間でビクンビクンと刺激を受け取るそれは、捕鯨銛をより凶悪にしたかの様なモノだった

改造された実装石は思い返す、飼い主さんに相談したのが間違いだった
公園でたまたまパンツが脱げて、股間に付いてる小さいペニスを笑われた事を泣きながら訴えたのが１０日前

その流れで殴る蹴るは当たり前、そこらの枝をペニスに突き刺されてシゴかれたせいで尿道はぐちゃぐちゃ
あげくに公園のボス猿マラ実装に犯されまでして、その時はとにかく恨み骨髄だった

だから願ってしまった
ワタシに何をしても良いデス！どんな有り様でも良いデス！
あいつらに復讐する力が欲しいデス！もう二度と馬鹿にできなくなるようにしてやりたいデス！

ありがちな、ごくありふれた願いだったと思う
願いに問題があったとすれば、願った先の飼い主さんが改造マニア型の実験派だった事だ

ワタシのずたぼろの股間をしばらく凝視した後の、あのティンと来たって飼い主さんの表情に嫌な予感を感じたのは気のせいじゃなかったんデス

眠らされて、目が覚めたら何もかもが変わっていたデスゥ…
ワタシのおんなのこらしい部分は何一つ無くなって、代わりに飼い主さんから与えられた新しいワタシはナニカ兵器みたいデした

半端に千切られた髪は完全につるりと無いデス、殴られて破れた頬はミチミチと引き攣って口裂けた笑みで固定されてるデス
へし折られた腕も足も折られる事は二度と無い位にミチミチしてるデス、でも胸もお尻ももう柔らかさとは無縁デス

一番変わったのはオチンチンデス、いや、もうこれオチンチンじゃ無いデス
サイズがでかいのはまだ良いデス、そりゃ男が男を見返したるって発想ならそうなるデス？
問題なのは、なんで怪獣玩具のロボ怪獣のしっぽみたいにガワが金属質でトゲトゲしてるのかって事デス

人間さんで自分で自分のペニスをこんな改造する人居ますか？居ませんよね？たまに居る？チンポからファイヤー？ああ、そうデスか

とにかくワタシは生まれ変わったんデス、復讐できる怪人…いや怪実装に

そして、生まれ変わった体のテストだと言って、あの公園にまた連れていかれたんデスゥ…
デピャピャデピャピャと嘲りの笑いと視線がワタシに注がれたデス
なんか変な奴が来たデスと、ワタシの事なんて初めて見たみたいな反応デス
そのまんま、群れで囲んで殴りに来たデス

飼い主さんがくれた体の威力は無惨なものだったのデした

前は痛かったのが、全てぽふぽふふにふにくすぐったいだけデス
棒で殴られても、オチンチンがカンコンカンコン鳴るだけで刺激にもならないデス
ちょっと振り払っただけでオチンチンに引っかかって腕やら顔やらあんよやらが飛び散ったデス
気が付いたら群れのボスもボロボロで命乞いしてたデス

マラボスはワタシのオチンチンが引っかかったのか、お服も破れてパンツも破れて、腰のあたりの肉も削げて
その奥にマラボスの孔が見えた時に、何か股間からスイッチがバチーンと入れられたデス

心臓の鼓動が意識を削ってくるデス
オチンチンが膨れて装甲で押し潰されて痛いデス
痛みから解放される方法はイッてしまう事デス
そして目の前にはおあつらえ向きに肉の孔

掴んだマラボスのあんよが手の中で潰れて持ちにくいデス、仕方無いから腰骨を掴むデス
マラボスがヤメロ受ケイレラレナイ無理死ヌ常識テキニカンガエロとかほざいてるけど、ワタシの時に躊躇なんてしてくれたデスか？

コンドハオマエガ アナ ダ

デッズァアアアア！と実装ボイスがあたりに響き、突撃一番

グチャン、とジックスではおおよそ聞きそうにない音がして
臭くて緩そうな孔は緑色とピンクの合い挽き肉になった

クルシイイタイカイホウサレナイスッキリシナイデキナイアナダアナガイル

突っ込んでもまともに前後する前に相手がひき肉になるのだから、イきたくてもイけやしない
ましてやペニスはガチャガチャとした鉄の装甲で覆われている
そのような有様なのだから、ちょっとやそっとのことでイって解放されるはずもなかった

デッギャアアアアアアデッビャガアアアアアアアア！
最早その有り様は正しくベルセルク、苦悶からの解放を望んで
目につく肉孔という肉孔を捕まえては突っ込み捕まえては突っ込み汚肉に変える

公園という公園の実装石が肉の染みになってもまだガンガンと固いままで
改造された実装石がペニスからの刺激から解放されるのは
脳がその刺激で焼き切れて気絶するまで待たなければならなかった

その後も何度か実装種が溜まってる場所に連れていかれては、あたり一面を血肉の染みまみれにする
何度も何度も血濡れになって、発狂して、気絶して
それを何度も何度も繰り返しても一度もイけず

イケナイイケナイイケナイクルシイダシタイクルシイダシタイイケナイアナダアナアナハドコダ

それをずっと続けられたものだから、もはや地獄じみた衝動は偽石にまで刻み込まれてしまった
偽石さえもそんな衝動による破損と、飼い主による修復で歪に歪み膨らみ異様な有様になる始末

時折、不意に自我が戻り、改造実装石はその目から涙を流す
なんで、なんでこうなったンデスゥ？

蒼い血に濡れたマラをシゴこうとして、手のひらが切れてしまった
自分で慰めて、苦悶から解放されることもできやしない
なんで、なんでこうなったンデスゥ？

その夜は、珍しく股間が少し縮んでいたから改造実装石も少しだけ思考能力を取り戻せた
おもむろに股間を見る。なんでこんなものに支配されているのだろうと改造実装石は苦悩する
こんなジャマなモノ、無くなって終えば良いデス。と、改造実装石が股間を触る
勃起していなくても固いそれは、ちょっとゆすってやるだけで内側がパンパンになった
その内にぢゃぐぢゃぐと、ミンチを擦り付けるような音が聞こえだす

イケナイイケナイクルシイクルシイダシタイダシタイジャマダジャマダセイヨクガクルシイ

ヂャグヂャグと、手がミンチになっても手を止めない。改造されて以降、一度も精を吐いていないのだ
たった一度でも良い、解放されたい。ぐしゃぐしゃになっている思考の方向をまとめるならただそれだけだ

アナダアナダアナダアナダアナダアナダアナダアナダアナガヒツヨウダ

口の端から泡さえも混じりながら、正気と発狂の間でぎょろぎょろぎょろぎょろ
なにかないかなにかないかと探すうち、暗闇の向こうから何か聞こえてくる

ぐー、ぐー、と、音の主は飼い主だった
ソファの上でうつ伏せに、行儀悪く眠っている

寝息に合わせて飼い主の体が動く
ゆらりゆらりと、二つの丘は改造実装石にはとても魅力的に見えた

発狂していたとは思えないほど慎重に、改造実装石がゆっくりとソファへ歩いていく
飼い主は家ではゆったりとした服装で過ごす人間だったから、それはとても脱がしやすかった

毛も生えて、座りっぱなしでガサガサと荒れた、野郎のだるい尻の肉
その真ん中にある汚らしい孔ですら、今の改造実装石にとっては救いへの天国へ至る門に見えた

アナダ、アナデス、ツカエルアナデス

つぷり、と捕鯨銛が男の尻にキスをしたところで飼い主は目覚めたが、もう手遅れだった

-----１１日午前７時０６分頃、双葉町九路浦４番地のマンションで男性が遺体で発見されました
遺体は肛門から内臓にかけて酷く損傷しており、何者かが男性を殺害したものと思われます
部屋の中が著しく荒らされていた事から、警察は強盗殺人事件として捜査を進めています

警察によりますと、階上の部屋から午前２時頃に男性の悲鳴と獣の唸り声のような物が聞こえると１１０番通報があり
現場に駆け付けたところマンションの一室で倒れた男性を発見し、病院に運ばれましたが、間もなく死亡が確認されたとのことです

犯人の行方は現在不明です
町に、時折声が響く
苦悶を感じさせるそれは、それを発するのが如何なる存在のモノなのか、もう誰にもわからない

季節は秋に差し掛かる頃
フランスに長期出張で日本から来ている私はフランス支社の現地の同僚に誘われて『ギロチン祭』なる恐ろしい名前の祭りに誘われた

場所は彼の故郷の小規模の街
祭りの当日は色々な出店に特産品を使った料理や土産が沢山並び
更に同僚や街の人達は中世時代の平民の服装をしており
やがて昼過ぎになって中世時代の護送車が馬に引かれながら街の中央広場に向かって行った

やがて馬車は街の広場に中心に設置されたギロチンの前で止まると護送車の中からやたらと着飾った実装石が引きずり出され
中世時代の死刑執行人の姿の男達に取り押さえながら並ばされるとこの街の市長がフランス語で高らかに実装石に付けたと思われる誰かの名前を読み上げながら死刑を宣告すると
実装石達は分かっているのか分かって無いのかは不明だがデスデスデギャデギャと喚き続け
しかしそんな事などお構いなしの執行人達は実装石の首をギロチンに固定して刑を執行し
その首が斬り落とされてボトリと落ちると広場の市民一同から歓声が上がった

中世ヨーロッパの貴族社会ではなぜだか実装石を溺愛する事が貴族達の間で流行していた時期があり
一説では糞蟲の脳内にある幸せ回路はこの時代に成形されたのではないかとの説もある位実装石達は貴族達から寵愛を受け
その実装石達はフランス革命と同時にその全てが貴族の象徴として憎悪の対象となり９９％以上が駆除された

今回のギロチン祭はその時代背景から実装石を当時の貴族に見立ててギロチンと言う処刑道具で殺す事で
市民が貴族達から国を勝ち取った事を祝う祭りとして現在でも続けられている
因みにヨーロッパでは今回の祭り用にせよ食用にせよ実装石の所持飼育に関しては街や国から厳しい審査を受けなければならないらしく
許可なく飼育繁殖させた場合は１０年以下の懲役か４千万以下の罰金刑に成る程厳しく規制され
野生の実装石をヨーロッパで見る事はまずあり得ないのらしい

食事中のウジちゃんに声をかけてみた
「ウジちゃーん」
「レフ？」

ウジちゃん可愛いんだよねぇ
チリィところとかチリィところとか弱いところとか…
100匹程度なら問題ないが1000匹単位だったら人間倒せるかなと考えながら装着
「レフ？」
「あとはクソが飛び散らないように水槽に入れて蓋をガムテープで固定させて…と」
「レフ？レフ〜ン」
あー嬉しそうだなぁ…ただこのプニプニマシーン悪名高い海外通販サイト『DESU』で買ったモノで安全性などは一切考慮してないけれど

（※イラストサムネイルが真っ黒になるのは仕様です

>振り向きウジちゃん
>魅惑のプニプニマシーンベルト
かわいいウジちゃんズデッス〜ン！

>このプニプニマシーン悪名高い海外通販サイト『DESU』で買ったモノで安全性などは一切考慮してないけれど
愛らしいリボンとくりくりお目目に臭そうな糞のコントラストがいいですね
この通販サイトの商品片っぱしから実装ちゃんに試してみたい

>かわいいウジちゃんズデッス〜ン！
ありがとうデス〜
久しぶりに投下したからちょっと緊張したよ

実装石の普及を企てる愛護派組織の新たな戦略は食玩だった
チョコ入りウエハースにどこかで見たような正方形のオマケシール1枚をランダムに封入
キャラクターはもちろん実装石で蛆実装からハゲハダカにマラ実装まで全数十種類を用意した
シールはコレクションのほか実装ショップで蛆もしくは親指実装との交換が可能な引換券にもなっている(裏面にその旨が記載されている)

ウエハースが美味なため意外にも人気になったがシールと交換された実装たちはそのほとんどが子供らの虐待玩具になってしまった
残されたわずかなシールは現在ではプレミアがついてマニアに高値で取引されているという

立体でギラギラしてそう

悪名高い海外通販サイト『DESU』

あそこの商品、たまに人間でも大怪我するヤバいの売ってるからな

飼い実蒼にマイクロビキニを着せて野良を駆除させてる動画を公開したら物凄くバズってな
調子に乗ってボスマラ実装の討伐もさせようとしたら逆に負かされて公開レイプ動画になっちゃってな
でも最高に再生数稼げたが実蒼石が二重の意味で壊れたから後が続かなくてちょっと困った

マラ実装の好み比べあたりをしたくなる
デフォ実装から蒼紅金雛燈薔薇雪華と並べてどれに食いついてどれに食いつかないのか
なんなら実装種以外も並べても良い

フランスでのギロチン祭の後
イギリスから出向している同僚から『火炙り祭』に誘わた
大体はギロチン祭と同じで地元の人は中世の平民の衣装
そして護送車で連行されて来たのは貴族の衣装を着せられた実装石が執行人達によって無理矢理並ばされて死刑執行の宣言文が読み上げられ
実装石達はドレスを剝ぎ取られてから柱に括り付けられて足元に積まれた薪に火を付けられた
轟轟と炎が燃え上がると実装石達が悲鳴と糞を撒き散らしながらあっという間に消し炭になり
実装石が焼け死ぬと歓声が上がり、祭りは終わりを迎えた

実際ヨーロッパの実装石は悪害を振り撒かないように徹底的に駆除が行われ、基本的な生存はおろか飼育・所持すら許されず
ほとんどの国が大分県と姉妹契約を結んで駆除の為の大分製品を定期輸入している
因みに他実装に関しては一切の規制は存在しない

そんなヨーロッパで実装石は『古き悪しき貴族の象徴』として数多くの国・地域で祭りの際に絞首・火炙り・ギロチン・銃殺と『死刑』され
その過程ではなく結果のみを求められ
日本のように虐待してその過程を楽しむ概念はほとんど存在しないのらしい
まあ、その辺は無関心派の私にはどうでもいい
要はその祭りで特産品の料理やワインしか私は興味が無いからな

実装石には過去に様々な関連商品が開発されました
その中には失敗した数々の品物がございました
本日も、その一つをご紹介しましょう

実装石ユーザー様も、多品種のユーザー様方も、ご参考にされれば幸いです

では、本日紹介するのは巾着実装という実装石の改造品商品です
ペット飼育の煩わしさと無縁なモノを目指した、その末路を見ていきましょう

巾着実装は、見た目はその名前の通り、巾着に入った仔実装のような外見をしています
値段もほどほどに安く、ガワの巾着に御当地性を持たせた御当地巾着実装なんてものもゆくゆくは作るつもりだったそうです
最初は巾着に入った仔実装のような見た目と、その価格からかいくらか数ははけたそうです

おお、お父さんが買っていきましたね？お土産にするつもりでしょうか？
どうやら娘さんにお願いされていたそうです。将来有望ですね？
ああ、さっそくお化粧して遊んでますね。巾着実装の方はと言えば…嫌がってますけどそんなに激しく暴れてませんね

巾着実装の目指したモノは、実装石の煩わしい部分
自由に動き回って勝手に死ぬ・壊れる、糞をそこら中にまき散らす、勝手に仔を為す、いずれ大きくなって場所をとる
そういった実装石の煩わしい部分をなるだけなくしつつ、仔実装らしさをどの程度残せるかを目指した物でした
無論、かなりの無茶です。ですのでその無茶を成立させるための制約もありました

その一つは専用の餌だけしか食べさせてはいけない、それも必ず決まった時間に、とのことでした
ですがその手の決まり事を、わざとにせようっかりにせよ守らない人が現れるのは世の常です

モニターの向こうではけぺけぺと、巾着実装が緑色の何かを口から吐いていますね
あーあー、娘さんも気の毒に。とても臭そうですね
ええそうです、あの緑色、実装の糞です。口から液状の糞を吐いていますね
何故糞が口から？と疑問に思われる事でしょう

巾着実装は糞の世話が要らない、という触れ込みでした

というのも『専用の餌を決まった使い方をする限り』は生きる上での消費と栄養補給が釣り合うようになっていたそうなのですが
人間が飼う以上はどうしてもミスや手抜き、勘違いが発生します

画面の親娘のところの巾着実装は専用外の餌を与えてしまったのですね
その結果、下顎の下につなげられた腸から、循環を超えた分の糞があふれ出てしまったようです

ええ、極めてギリギリの設計で作られていた物が『巾着実装』という商品なのです
決まった餌を決まった時間に与える、それ以外では完全に破綻する、そんなどうしようもない代物だったのです

糞をしない、仔を生まないなんてのも誇大広告も良いところでした
実際には舌の下に繋がれた腸から出た物が、糞でも蛆ちゃんでも、もう一度胃に戻されていただけ
ぐるぐるぐるぐる、同じ内容物が巾着実装の内で完結して回っているだけだったのです

なんでそんな構造になっていたのかといえば、糞・仔の発生をごまかすのはもちろんのこと
もう一つ、成長抑制剤の効果を少しでも長く循環させ続けるためだった、と

さて、そんな無茶な代物だったものですから、巾着実装は発売から数か月してトラブルとクレームの嵐になります

餌を少しやり忘れれば数時間で餓死する体力・余分な脂肪の無さ
ものぐさで専用餌以外を使った虐待派の家では、首が成長してしまって接続部分からみぢみぢと音がして千切れる
とある家では子供が巾着から出してあげようとして、その中身を見て深刻なトラウマを得て

万が一にも長時間生存させてしまうと、もう成長抑制剤でも抑制しきれずにパンパンになった巾着の内圧で押されて
最期には、巾着から内臓と糞と蛆ちゃんが入り混じったものを噴水のように吹き出しながら飛ぶ生首になり果てた、と

そういった要因で様々な阿鼻叫喚の有様を、あちこちのご家庭に提供する羽目にりました

となれば、当然の帰結として販売停止、回収、返金作業…製造会社はその対応に追われました
しかし所詮実装石の改造品、販売停止となって、金を生まないとなればとたんに扱いが悪くなるもの

実装ショップで在庫の巾着が店の裏でﾃｪﾃｪとか細い声を上げ続けているのならばまだましで
多くのショップでは販売停止の決まった三日前後で実装ゴミとして生きたままゴミ焼却処分場へ
それすらもめんどくさがられた店では、どこかの山へ生きたまままとめて棄てられて
そのうち巾着から糞を大量に噴き出して、山が真っ黒に見えるほどの蠅集りの山を作ったと伝説になりました

チィ、チィと、あの親娘の家でか細い声が聞こえます
巾着実装の内、とても幸運だったモノは実験派かショップの手で首から下の体が再び与えられました
それがその実装石にとって幸運だったかは別として

チィチィと鳴く仔実装の動かせる部位は首から上だけしかありません
生まれてすぐに首から下は内臓以外、手も脚も胴体も無くされていたのですから
それらの体を動かすという感覚をすっかり無くしていました

手足はおろか胴さえもまともに動かせず、動かない胴の肉の重みで呼吸もしづらく
抑制剤の一部には巾着実装が自分の現状を理解しないように酩酊剤も含まれていましたが
それももう投与される事が無いので、仔実装は苦しみをダイレクトに感じるようになりか細くチィチィと辛気臭く鳴き続ける

そうなるともう、ただの終末介護にしかなりません
仔実装はただ苦しみの内に生かされているにすぎません

チィチィと辛気臭く鳴くだけの動かない肉に娘さんは興味をすっかり無くしたようで
仔実装の介護は殺すのは忍びないと父親が続けていましたが、仔実装にとっては苦しみを長引かせるだけだったのかも…と
肉体を修復されてから３か月ほどして、偽石を真っ黒に染めて、枯れ木のようになって死んだそうです
結局無理に直した所で、壊れたモノが元に戻る事はなかったようで

ポチポチと、司会が小さな機械を弄っている
小さな液晶の中ではドットの蛆実装が親指実装に成長するところだった

おっと、すみません、画面がこちらに戻っていましたね
いえね、手持無沙汰でしたので携帯ゲーム機などを…
こちらの商品も件の巾着実装の会社が、巾着実装のリコールで傾きかけたのを立て直さんと、起死回生を目指して作られた物でして
名前をじっそっち、と言います。はい、まぁパクリですね

大本の商品と違うのは、これには実装石の偽石が組み込まれていまして、ある程度は本当に生きているんですよ
中の偽石を生かすために定期的な薬液注入が必要ですが、巾着実装と比べればその量も機会もとても少なく済みます
ようは巾着実装からより煩わしさを省こうとして作らてあるわけでして

機械からﾚﾁｬｰﾚﾁｬｰとブザー音のような親指実装の声がする
とはいえ所詮はチープトイですね、出来るやり取りと言えば、結局ブザーにあわせてポチポチするだけ
ましてや大本と違って成長の変化先なんてこれそもそも実装しようが無いんですよ、偽石がずっと一個だけなんですから

蛆ちゃん、親指、仔実装、生体、そして寿命でリセットして蛆ちゃん
ただそのループをずっとするだけなんですよね、ユーザーができる事はただボタンを押して
『餌をやる』で腹が膨れた感覚『トイレを片付ける』で不快な信号を減らす『玩具を与える』という形で楽しいという感情
それらをパラメータとしてボタンをぽちぽちと押して偽信号を偽石へ送るだけ

結局、実装石飼育の手ごたえが欠片も無いんですよ、このじっそっち
それがこの会社が巾着実装でペット産業に入る時に見誤った部分でして、煩わしさを削る事にのみ終始してしまって
ペットを飼育するとはどういう楽しみがあるのかを完全に見ていなかったのですよ
生き物を世話するということは当然煩わしい事が多いです
ですがその煩わしさもペットを飼う上では楽しみに含まれている物です

当然、色々と間違えているのですからこのじっそっちも起死回生になんかならず、あえなく会社は倒産いたしました
悲鳴も痛めつける感触も無いので虐待派には刺さらず、そのあまりにも単調な飼育仕様のせいで愛護派はおろか愛誤派にも受けませんでした
成長抑制剤の特許だけが今も別企業で使われているとの事で、諸行無常ですね

本日は巾着実装を紹介いたしました
目的や手段を見誤ったモノほど、哀しいものはございませんね

ではまた次回、次回は、いつでもいっしょに居たいというあいご商品でお会いしましょう
それでは、また

画面には椅子が一つスポットライトで照らされている
その椅子の上で、ﾚﾁｬｰﾚﾁｬｰといつまでもうるさくブザーが鳴り続けていた

実装石関連商品を幅広く扱うローゼン社と実装石でも虐待用品を扱うメイデン社に海外からのライバルが登場した…
その名も【DESU】海外製品なので色んな意味でヤバいがとにかく国産より安いという理由で徐々にユーザー数を伸ばしている
現在ローゼン社メイデン社の両社は国へ排除するように働きかけているが…さて

かわいい
実装グッズいっぱい買っちゃうかも

>実装石関連商品を幅広く扱うローゼン社と実装石でも虐待用品を扱うメイデン社に海外からのライバルが登場した…
>その名も【DESU】海外製品なので色んな意味でヤバいがとにかく国産より安いという理由で徐々にユーザー数を伸ばしている
>現在ローゼン社メイデン社の両社は国へ排除するように働きかけているが…さて
投下乙デスゥ
裏が闇深いのも元ネタに忠実でいいですね

てむてむ

　あれほど見かけた実装石が駆除されきってはや幾年
　存在すらも忘れていたが、パソコンの中身を整理していたら昔の写真が出てきた
　さすがに虐待しているときのものはなく(証拠を残すのは阿呆すぎる)、買った直後で舞い上がり、ほほを染めておあいそをかましている写真ばかりだ
　思い出したらひさしぶりに上げ落としをやりたくなったが、いまやよほどの秘境に「まだいるといいよね」という妄想レベルの存在と化した奴らだ
　探す労力はかけたくないので、流行りも過ぎて定着しつつあるVR世界に再現してみることにした
　ただし害獣駆除ゲームワールドとして…

VR空間に実装石愛好管理人によって生まれた（実装石ルーム）は最初こそ愛護者の憩いの場であった…実装石を無限に飼育することが無料で出来たためである
そうなるとサーバースペースを圧迫することからルーム管理者は（1ユーザーに実装石1体ずつ）と制限を設けて2体目以降は課金して貰うことになった

複アカウントが作れないルールも同時に施行して（飼ってテチィ！ニンゲンサン！飼ってテチィ！）と2体目課金を執拗に迫るようプログラムされた実装石をルーム内に徘徊させた
…段々煩わしくなった愛護派もおあいそして寄ってくる実装石を暴力で排除するようになったり（飼育しなければ何しても構わない）とジックスする者や虐待に走る者も現れた
いつしか無課金虐待派がルームの大半を占めるようになり課金してくれていた愛護派やまったりしたかったユーザーは姿を消した

現在このルームは（暴力行為や一切の性的行為を禁じる）運営の規則によって削除されているが未だに元管理人へ（実装石ルームを再開して欲しい）とダイレクトメールが届くそうだ

中東の砂漠地帯の一部に珍しい動物がいると聞き実地観測へやってきた双葉大学生物学教授としあき
空港から降りて現地大学の生物学助教授が案内役を務める
「旦那は運が良い、今年は（砂漠の石）が大量発生しているネ」
「砂漠の…石？」
助教授はスマートフォンをスイスイと指で操作し写真を表示させた
「これです…砂漠の石」
「…実装石ですね…まさかこんな海外にまで生息地を広げるとは」

実装石というヘンテコな生物は最近の地球規模の気象異常が作用したのか日本以外にも生息地を広げている
「おかしいな…日本以外は生息できない上に持ち出すことは禁止されているはず」
「密輸入の荷物に紛れ込んだりするんでさ…」
空港から古い日本製のジープに乗りどんどん市街地から離れ日本とは違う森が流れ来た。
「旦那、ここから先は頭ぶつかる…掴まって」
「え？ああ…あいたっ！」
注意されたその場から道路未舗装になったために頭を天井にぶつけたのだった…

3時間ほど未舗装の道路を走破しただろうか…慣れると頭をぶつけることはなくなったがスプリングの効かない座席にお尻の皮が持っていかれるんじゃないかと危惧した
「今日の宿へご案内します…石の巣には日の出前に向かうネ」
「ほう…やはり日の出にしか出てこないんだろう」
「そうですそうです…あいつら賢い」
助教授は煙草で汚れた歯をニィッと広げ
「ニンゲンよりもすごく賢い、そして強い」
（まさか？）と思う前にガタピシの車は今日の宿に着いた
☆
宿と言うよりは日本で言う派出所レベルの大きさの宿泊施設は必要最小限度の生活が出来る装備は揃っていた
「旦那…夕食はワタシの妻が現地料理を振る舞うネ」
「心遣い感謝する、現地料理って…一体」

助教授はまたもニィッと笑う
「砂漠の石料理ネ…とっても美味しいデリシャス」
（マジか…先が思いやられる）カバンの底から胃腸薬を一包取り出しておいた

日の出前の砂漠地帯は極寒の空気で張り詰めていた…
ここにとても実装石がいるとは思わないが、昨晩の実装石料理が実在を保障している…味はスパイシーだが食感は固めに戻したお麩みたいで美味しいとは言いがたかった
「…ではここで待機ネ…静かにクワイエット…」
「…yes」
風が形成したなだらかな砂漠の地平線が赤く染まってきた頃に実装石の巣と言われるところから物体がもそもそと動く
「…おお」
実装石は成体としては仔実装ぐらいに小さいが裸のまま巣から出てきた
そして太陽に向かって大の字になってじっと立っている…体に付いた朝露で自身の喉を潤すためである
助教授は静かに網を振り下ろす
『デギャ！』
「やった…活きのいいやつネ」
「ふあッ？!何故捕まえたんですか！」
助教授はニィッと歯を剥いた
「ワタシ助教授…実装石を捕まえて売るネ、とっても金になる…日本人案内すればチップも日当も稼げる」
…実装石研究は結局はかどらずに（実装石がいかに金になるのか）を熱心に語る助教授を尻目に予定よりも早く帰国した…

ワタシ助教授…強いね…
それにしてもついに砂漠にも進出
もう住めない場所ないんじゃないか？

『デエエ・・どうすればいいのデス・・・』
ようやく秋らしい季節となった１１月
抱えている荷物から渡り実装と思われる野良が途方に暮れていた
この野良が住んでいた公園は数日前に大分県の天然水を散布する虐待派の都合無視の完全駆除が行われ、野良は子供も大部分の家財も見捨てて万が一の脱出用の手荷物だけ掴んで間一髪で難を逃れた・・・までは良かった
だが、新たな移住先を求めて歩き続けた野良は隣町の境まで来て絶望した、なぜならば
「この先、大分県」
と書かれた看板が立ち並び、野良は進む事も退く事も出来なくなったのだ
その後野良はどうなったのかは誰も知らない
悲観して死んだか、別の街に向かったか、それとも戻ったか
少なくともあの看板を無視して進んでは無い事は確かである